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鈴木義典氏（すずき・よしのり＝元オリンパス光学工業〈現オリンパス〉専務）１６日、左腎腫瘍のため死去、８４歳。通夜は１８日午後６時、告別式は１９日午後０時半、東京都八王子市元横山町２の１４の１９、こすもす斎場第１式場で。喪主は妻、か江子（かえこ）さん。   　究極のディスプレーといわれる有機ＥＬ（エレクトロ・ルミネッセンス）。通常の液晶より色鮮やかなうえ、明暗がはっきりとしていて、応答速度も早い。電圧をかけると光を放つ有機化合物でパネルができていて、液晶のように背後に光源が必要ないため、大幅に薄くできる。ただ、耐久性や大画面化、コスト面で課題を抱えるとされる。　「有機ＥＬと遜色（そんしょく）ない画質で、（通常の液晶に比べて）コストは（有機ＥＬのように）３倍ではなく1.3倍」。シャープの方志教和モバイル液晶第２事業本部長は胸を張った。同社が４月17日に発表した新型「モバイルＡＳＶ液晶」は、液晶テレビ「アクオス」の技術を携帯電話向け中小型液晶に適用したものだ。　新製品の発表当日、画質は「屋内のオフィスや屋外など、顧客が使う実環境で満足できる」（方志本部長）と、控えめに説明されていた。黒と白の明るさの差を暗所で測定するコントラスト比は2000対１。対する有機ＥＬは１万対１。濃い色の表現力は、コントラスト比に勝る有機ＥＬに軍配が上がるはずだった。　ところが、片山幹雄社長が４月25日の決算記者会見で、「新しいモバイルＡＳＶ液晶は、有機ＥＬよりきれいではないかと思っている」と豪語する。　コントラスト比は、明るくなると漸減する性質がある。実は、シャープの新モバイルＡＳＶは、明るくなればなるほどコントラスト比がライバルの有機ＥＬより優れるというのだ。　分岐点はオフィスの明るさで、新モバイルＡＳＶ、有機ＥＬともに500対１程度で同等となる。それより明るい場所でのコントラスト比の低下ピッチでは、新モバイルＡＳＶは有機ＥＬより緩やかという。ほかにも、色の変化が滑らかで、肌色の表現が美しいなどの特徴でも勝るという。新モバイルＡＳＶは今秋サンプル出荷が始まり、2008年に本格出荷の予定だ。　携帯電話向けディスプレーパネルは、顧客の求める仕様に応じて製造する「カスタム品」。このため、個別の取引価格を捕捉するのは困難だが、携帯電話端末メーカーによると、「ディスプレーパネルの価格が携帯電話端末の総コストに占める割合は、せいぜい２割が限界」。08年に国内市場で投入される新モデル向けの液晶パネルの価格交渉が進行中だが、高精細の高級品で１枚3000円を挟んだ攻防とみられる。　ワンセグ（携帯機器向け地上デジタル放送）の開始で携帯電話機は「映像を扱う機器」との性質を強めた。多機能化が一段落した携帯電話機では、消費者は画面の画質をより重視する傾向が強まっている。ＫＤＤＩが今春、ライバルに先駆けて有機ＥＬをメイン画面に搭載したａｕ端末「ＭＥＤＩＡ　ＳＫＩＮ（メディア・スキン）」を投入したのも、画面重視の流れをくみ取った戦略といえそうだ。　ソニーは４月12日、有機ＥＬを使って、11インチで厚さ３ミリメートルの超薄型テレビを年内に発売すると発表。翌日、東京ビッグサイト（東京都江東区）で開かれていた展示会に参考出品されたソニーの有機ＥＬテレビの周囲には、５メートル以上の人垣ができていた。撮影禁止の張り紙はあったものの、あちらこちらで、カメラのフラッシュがたかれていた。　３倍対1.3倍――。「有機ＥＬが価格面で液晶を抜き去るには、相当な時間がかかる」との声が業界には依然多い。ただ、ソニーの有機ＥＬテレビに対して技術者たちの注ぐ熱いまなざしを見て「有機ＥＬの技術進歩は、予想より早まるかも」と漏らす業界関係者もいる。果たして、液晶と有機ＥＬのコスト差は来年の今ごろ、どのように変化しているのだろうか。   　牛肉価格が高値に張り付いている。昨年は和牛を筆頭に国産牛全般が値上がりし、豪州産輸入牛肉も干ばつの影響で急騰した。それでは2007年の相場はどう動くのか。カギは米国産が握っている。　東京市場の06年平均卸値は和牛去勢Ａ３（生体・加重平均）で１キロ1998円。05年に比べて0.2％上昇し、1990年以降では最も高い年となった。国内畜産農家の減少という構造的要因に加え、国内消費の５割を占める豪州産の高騰が相場全体を押し上げたためだ。　予想外の価格上昇に、小売店は「置いても高値だから消費者が買ってくれない」と悲鳴を上げる。根強い人気を持つ和牛を専門に扱う卸ですら「好景気でも家計は潤っておらず、売りづらい」とこぼす。　こうした高値による需要停滞を打開すると期待されているのが米国産だ。もちろん安全性に対して消費者の不安感は残っている。日本に輸出できる月齢20カ月以下の肉牛が少ないうえ、日本国内で全箱検査が待ち受けていることもあって、昨年７月の輸入再々開後も輸入量は月間2000トン程度と禁輸前の１割どまり。価格も豪州産に近い高値だ。それでも輸入商社からは「３月以降、輸入量が増えて価格も下がる」との楽観論が出始めている。長期的に見て、米国が肉牛の出荷が増える時期に差し掛かっているためだ。　実際、これまで米国産牛肉を販売してこなかった大手小売りにも、３月以降の販売を模索する動きがあるという。ある大手商社は「『どの程度の量を用意できるのか』とスーパーから打診された」と打ち明ける。　消費者がどのような反応を見せるかは未知数だが、仮にすんなりと受け入れられれば輸入量の拡大に結び付き、価格も下がる可能性が高い。牛肉の価格と消費が“正常化”するか否か。業界からは、米国産牛肉の輸入量と消費の動向に今までにも増して熱い視線が注がれている。昨年来の食品や日用品の値上げラッシュは４月以降、一段と加速する勢いだ。パンやパスタ、うどんなどのめん類の値上がりに直結する４月からの小麦価格の３０％引き上げは大きな衝撃となる。店頭価格を何とか据え置き、消費者に値上げの波が及ばないよう「防波堤」の役割を果たしてきた大手スーパーも「もはや限界」（幹部）。消費者が、値上げによる「痛み」を実感する春になりそうだ。【平地修、工藤昭久】　政治部　池内新太郎（10月18日）>> 過去記事一覧問題は設備よりもターミナルで働く職員の習熟度にあったようで、ＢＡの責任者は「開業準備に全力を注いできたが、究極の屈辱だ」とほぞをかんだ。英ＢＢＣ放送などによると、３時間も待たされた乗客はカンカン。その一方で、突然の運行停止、遅延が当たり前の地下鉄に慣らされたロンドン市民は「英国だから、これが普通」とあきらめ顔だった。